ジャガイモの恐怖、知っているけど学校でたまに起こる事故があります。先生も注意しているはずですが、小学校で栽培したジャガイモでカレーを作る際に食中毒が発生することがあります。ジャガイモに含まれる天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」が原因です。これらの毒素は特にジャガイモの芽や、光に当たって緑色になった部分に多く含まれています。スーパーなどで販売しているものは全く心配ありませんが、家庭菜園などで作ったジャガイモでもきをつけましょうね。
食中毒を防ぐためのポイント
- 芽を完全に取り除く: ジャガイモの芽やその周辺部分にはソラニンが多く含まれているため、根元からしっかり取り除きましょう。
- 緑色の部分を除去する: 光に当たって緑色になった部分も毒素が多く含まれているので、皮を厚めにむいて取り除きます。
- 未熟なジャガイモを避ける: 小さく未熟なジャガイモは毒素の含有量が高いことがあるため、十分に熟したものを使用することが重要です。
- 保存方法に注意: ジャガイモは暗くて涼しい場所に保管し、光が当たらないようにしましょう。
これらのポイントを守ることで、ジャガイモによる食中毒のリスクを減らすことができます。安全に美味しいカレーを楽しんでくださいね!
ソラニンとチャコニンって何?
ソラニンとチャコニンは、ジャガイモやナス科の植物に含まれる天然の毒素(グリコアルカロイド)です。これらの毒素は、植物が害虫や病気から身を守るために生成するものです。
ソラニン
- 化学構造: ソラニンはアルカロイドの一種で、糖とアルカロイドが結合したグリコアルカロイドです。
- 存在場所: ジャガイモの芽や緑色の皮、未熟な部分に多く含まれています。
- 症状: ソラニンを摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛などの症状が現れることがあります。
チャコニン
- 化学構造: チャコニンもソラニンと同様にグリコアルカロイドの一種です。
- 存在場所: ソラニンと同じく、ジャガイモの芽や緑色の皮に多く含まれています。
- 症状: チャコニンの摂取による症状もソラニンと似ており、消化器系の不調や神経系の症状を引き起こすことがあります。
これらの毒素は、適切に処理すれば摂取を避けることができます。ジャガイモの芽や緑色の部分をしっかり取り除き、未熟なジャガイモを避けることで、安全に調理することができます
ジャガイモ以外で注意すべき食品
ジャガイモ以外にも注意が必要な食品はいくつかあります。特に食中毒のリスクが高い食品として以下のものが挙げられます
- 生肉や生魚:特に鶏肉や魚の刺身は、サルモネラ菌や大腸菌などの食中毒菌が付着していることがあります。
- 生卵:サルモネラ菌が含まれている可能性があるため、生で食べる際には注意が必要です。
- 乳製品:特に未殺菌の乳製品はリステリア菌のリスクがあります。
- 貝類(二枚貝):ノロウイルスやビブリオ菌が含まれていることがあり、十分に加熱することが推奨されます。
- サラダ:生の葉物野菜はサルモネラや大腸菌、ノロウイルスなどが付着していることがあるため、よく洗うことが重要です。
これらの食品を扱う際には、しっかりと加熱する、清潔な調理器具を使う、手をよく洗うなどの対策を講じることが大切です。
食中毒を予防するための基本的な対策
食中毒を予防するためには、いくつかの基本的な対策を守ることが重要です。以下に、家庭で実践できる主な対策をまとめました
1. 食材の選び方と購入
- 消費期限を確認:表示のある食品は、消費期限や賞味期限を確認して購入しましょう。
- 分けて包む:生肉や魚などの水分が漏れないようにビニール袋などに分けて包みます。
- 保冷剤を使用:特に生鮮食品は、保冷剤と一緒に持ち帰ると良いです。
2. 保存方法
- 冷蔵・冷凍:購入したらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つことが目安です。
- 詰めすぎに注意:冷蔵庫や冷凍庫は7割程度の容量に保ち、適切な温度管理を行います。
3. 調理前の準備
- 手洗い:調理前には必ず手を洗いましょう。
- 器具の清潔:包丁やまな板は使用後にしっかり洗い、熱湯をかけて消毒します。
- 生肉や魚の汁に注意:生の肉や魚の汁が他の食品にかからないように注意します。
4. 調理中
- 十分な加熱:食材は中心部が75℃以上になるように1分以上加熱します。
- 電子レンジの使用:電子レンジを使う場合は、専用の容器とふたを使用し、均一に加熱するために時々かき混ぜます。
5. 食事の際
- 手洗い:食事の前にも手を洗いましょう。
- 清潔な器具と食器:清潔な器具を使い、清潔な食器に盛り付けます。
6. 残った食品の扱い
- 早めに冷却:残った食品は浅い容器に小分けして早めに冷やします。
- 再加熱:残った食品を温め直す際も十分に加熱します(75℃以上)。
- 怪しい食品は捨てる:少しでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。
これらの対策を守ることで、家庭での食中毒のリスクを大幅に減らすことができます。
最後に
ジャガイモによる食中毒が発生している施設は、 ほとんどが学校です。 また、発生時期は、6〜9 月、11〜2 月で、特に 7 月が多いことが特 徴となっています。
学校菜園や家庭菜園で栽培する場合は、ジャガイモが地面から外に出ないよう、きちんと土寄せをする。 ・十分に熟して大きくなったジャガイモを収穫する。 ・収穫するときは、ジャガイモに傷を付けないようにする。 ・収穫したジャガイモは、暗くて涼しい場所に保管し、日光にあてないようにする。 ・収穫したジャガイモは、早めに食べる。など、以上のことを注意してほしいものです。